綿

織物風景

メキシコの先住民、特にマヤ系先住民の間では織物技術は古来より非常に発達していました。各種族、各村でそれぞれのデザインを持ち、女性達にとって民族衣装を織る事は大変重要な仕事でした。その織り方は片方を木につなぎもう片方を自分の腰で固定、何本もの横棒を通して織り上げるという複雑なものです。

   現在は科学染料の使用が多くなったものの、天然染料としてはサボテンにつく虫からとれるコチニール(=えんじ)、貝紫(=紫)、アチオテの実(=赤)、緑青(=青)、石炭(=黒)などがあります。貝紫は一部の沿岸地方でしか採れないのでとても貴重なものになっています。

  作られる代表的なものは
1.ウイピル(Huipil)・・・民族衣装、貫頭衣。1枚の布のわきを縫い合わせ、
              頭を通す穴をあけたシンプルなもの。
2.ケチュケミトル(Quexquemitl)・・・四角形の布の一角に頭を通す
                      穴をあけた肩掛け
3.エンレド(Enredo)・・・巻きスカート。
4.レボソ(Rebozo)・・・絣織りのショール。
              現在は工場で大量生産される事が多くなりました。

  前述のように、種類は多種多様なのでとても紹介し切れませんが
 中でも有名なものを。

1.マヤ地方-ツォツィル族(Los Tzotziles)・ツェルタル族(Los Tzeltales)
 チアパス州中央高地の民族。外部の文化を容易に受け入れず、独自の文化を保っています。村ごとに衣装が違うので、出身地がその衣装でわかります。

2.オアハカ地方-サポテコ族(Los Zapotecos)
 かつてオアハカ地方を支配したサポテコ族の中でも海岸部の衣装は華やか。黒のベルベット生地に大きな花文様が刺繍されています。

3.オアハカ地方-ミステコ族(Los Mixtecos)
 こちらも海岸部の、貝紫で染めた糸を使った織物で有名です。

4.メキシコ北西部-ウイチョル族(Los Huicholes)
 ハリスコ州とナヤリ州に住むこの民族は、地形的に隔離されていた事もあり、織物に限らず独自の文化を保っています。土着の宗教を守っている事が大きく影響していて、その衣装には神話のモチーフが多く織りこまれています。また男性の衣装のほうが女性のものより華やかな事、民族全体が同じ衣装であることも大きな特徴です。

 衣装を手に入れることはなかなか難しいですが(値も張ります)、同じ織物を使った民芸品(バック、敷物、サイフ…)はたくさん作られています。
 ミステコ族、ウイチョル族のものは現地に行かないとほとんど入手は不可能。

 

写真上より
織物風景・ウイピル(サポテコ族)・ケチュケミトル・レボソ
ツェルタル族(テネハパ)・ツォツィル族(シナカンタン)
ミステコ族の貝紫染め・ ウイチョル族

ウイピル
レボソ
ツェルタル族
ツォツィル族
ミステコ族
ウイチョル族

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